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イスラーム世界の歴史的展開 [放送大学]

今学期の試験の2科目目はイスラーム。

イスラームは日本にいるとほとんど触れることがない宗教ですが、これまでマレーシア、ウズベキスタン、そしてトルコに旅行して、キリスト教世界とも違う独特の建物や文化を眼にして興味を持っていました。

歴史についても、世界史を学ぶとどうしても欧米と日本を中心とした東アジアの歴史が中心になりがちで、イスラム圏はところどころ思い出したように「そのころ○○では・・・」と出てくるだけで、体系的に知る機会はありませんでした。
宗教についてもウンマとかシャリーアとか独特の用語も多く、いちいち調べても知識は断片的になりがちです。

ということで、1科目丸々イスラームの歴史と文化に触れた科目を受講。
前半はイスラム教が生まれた7世紀から近代までの歴史、後半は家族、都市、契約、造形といった文化に触れています。

放送大学では中央アジアの歴史、ヨーロッパの歴史を学んでいたのですが、その間に位置する中東の歴史はなかなか新鮮。
正統カリフ時代から、ウマイヤ朝、アッバース朝とつながった後、軍人が力を持って政権を担う時代になるなど、日本の古代から中世までの動きとも共通点を感じます。

全体の歴史の中では、エジプトとイランの歴史が重要な軸となっているように思います。
そういった意味で、この2つの国はとても行きたいのですが、ちょっと今はごたごたしていてなかなか行きにくいのが残念です。

両国とも政治体制について批判がされているところですが、単純に「遅れている」というのではなく、これまで何回も近代化の試みがなされたのですが、列強の干渉によって挫折してきたことがわかります。
イランで言えば、カージャール朝時代の1906年に立憲君主制樹立がなされますが、ロシアが軍事介入して頓挫します。パフラヴィー朝時代もモサッデクが国民戦線を組織して首相となって改革を試みますが、英米の支援を受けた国王派のクーデターで頓挫します。
エジプトでも、1981年にオラービー大佐が蜂起して憲法制定を行いますが、イギリスの軍事介入によって頓挫します。
こうした歴史の流れを踏まえると、中東が欧米の干渉に対して神経質なのも理解できます。

日本の場合は、「極東」にあって、ヨーロッパの影響がマイルドだったのが本当に幸運だったのかも知れません。


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