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日本列島100万年史 [読書(教養書・実用書)]


日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語 (ブルーバックス)

日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語 (ブルーバックス)

  • 作者: 山崎 晴雄
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/01/18
  • メディア: 新書



旅行をしていると、地形というものに興味を惹かれずにはいられません。
なぜそこに街があるのか、どうして栄えたのか、どうして衰退したのか。
特に最近のように離島を旅行していると、離島の場合は生成の歴史的経緯によって、生態系も大きく異なってくるのです。

本書では日本列島がどのようにでき、各地方がどのような地形なのかを概観することができます。

構成としてはまず第1章で日本列島全体の形成と、以降も出て来るプレートテクニクスをはじめとした概念の説明が行われます。
1900~1500万年前に起こった日本海開裂によって、ユーラシア大陸の東端がちぎれて日本海が形成、つまり日本列島ができました。

続いて、第2章から第8章では北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州と地方毎に全体あるいは代表的な地形を解説しています。

やはり第1章が難しいけれども重要で、何度も読み返しました。

全体像としては、日本はユーラシアプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートという3つのプレートがぶつかり合っているという場所にあると言うことが大きく、それぞれのプレートが動く方向、ぶつかって沈み込む位置(線)が重要です。

また、マグマが生成されるには高温が必要ですが、圧力が高すぎてもだめなので、プレートの沈み込みからちょうど深さ100kmくらいのところで生成されやすい。そのため、プレートの沈み込みから少しずれたところに火山が線上に並びます。

伊豆半島、そして富士山は、フィリピン海プレートが西向きに進みながらフィリピン海プレートに沈み込んだ結果生まれた、フィリピン海プレート上の火山フロントである伊豆バーが、フィリピン海プレート自体が北向きに移動してユーラシアプレートの下に沈み込むという特殊な構造で生まれているのですね。

また、気候変動の影響で2万年前には氷期で現在より120mほど海水面が低下し、その後1万年前からは一気に温暖化して海水面が上昇しています。

海水面が下がって陸続きになったところとならなかったところでは生態系の連続性に違いがありますし、海水面が上下すると河川の流れが急になったり緩やかになったりするので浸食の仕方が代わり、河岸段丘や扇状地が形成されます。

印象的だったのは活断層と人々の生活についての記述です。
今でこそ活断層は悪者扱いされ、その近くは良くない場所とされていますが、そもそも日本列島で人が住める平地や盆地は、活断層による高低差を土砂が埋めて作られたもの。
そして、平地や盆地の真ん中は川が氾濫して住みにくいので、平地や盆地の縁に住みがちであること。つまり活断層の近くですよね。
そうしたことを考えて、どこに住むのが正しいのかを考えなければならないということです。




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