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加藤茂孝「続・人類と感染症の歴史 ー新たな恐怖に備えるー」 [読書(教養書・実用書)]


続・人類と感染症の歴史 新たな恐怖に備える

続・人類と感染症の歴史 新たな恐怖に備える

  • 作者: 加藤 茂孝
  • 出版社/メーカー: 丸善出版
  • 発売日: 2018/05/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



引きこもり生活の中で感染症についての読書です。
もともと感染症には関心があって、ふりかえってみると家にそれなりに本があります。

また、放送大学でもいくつか科目をとってきていますね。
感染症と生体防御
人類と感染症の闘い

後者の面接授業は特に歴史にも触れながらの紹介で興味深く、講師の先生の書いた本も読みました。



人類と感染症の歴史

人類と感染症の歴史

  • 作者: 加藤 茂孝
  • 出版社/メーカー: 丸善出版
  • 発売日: 2013/03/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



そして、いつの間に続編が出ていたというのが今回読んだ本です。
前編とは違う感染症が取り上げられています。

【風疹】
ウイルス。
最初の導入ではまた風疹が取り上げられています。
以下に予防接種が重要か。年齢別の風疹報告者数を見ると予防接種の効果は抜群です。
以前の授業や本で印象に残っていたものもあり、(近所で麻疹が発生したこともあるが)麻疹・風疹ワクチンを去年、慈悲で受けてきたんですよね。
独身ですけど、職場にも女性が増えてきたし。

【HIV/AIDS】
ウイルス。
世界的に問題になったのが10~20代だったこともあり、怖い病気という記憶があります。
しかし、実はどうやらその前の1921年にはアフリカに存在していた病気らしい。
コンゴの1930年代の鉄道建設現場の労働者には広まっていて、そこで働いていたハイチ人に感染が広まっていたそうで、配置から1969年にアメリカに入った模様。
日本では血液製剤で感染が拡がってしまい、多くの教訓を残しました。

【ハンセン病】
菌。
これは文学にもなってきたほど古い病気。
どうも結核菌に近い菌による病気のようですね。

【狂犬病】
ウイルス。
パスツールがワクチンを開発。
私も10年打っていないので、旅行ができるようになったらまた打たねば。

【マラリア】
マラリア原虫。
これ、単細胞生物ですが、植物細胞が持つ葉緑体が進化した色素体様の細胞小器官があるそうで、祖先はなんと渦鞭毛藻類と同じ光合成生物であったとか。
水の中に住んでいるうちに、蚊を最終宿主、人間を中間宿主にする生き物になった。
驚き。
西表島に旅行したときにWikipediaなど読み、実は日本でも滋賀県、そして北海道でも流行していた病気だと言うことを知りました。決して熱帯の病気だから日本にいないのではなく、蚊を減らしたからいなくなったらしいです。

【梅毒】
菌。
これは、新大陸起源と思われる。
新大陸には旧大陸からたくさんの病気が持ち込まれて先住民を死に追いやったのは「銃・病原菌・鉄」で有名だが、これは逆。
ヨーロッパで見られる女性の背が広く開いたイブニングドレスは、背にできものができていないので梅毒にかかっていない、というアピールだったとか。

【コレラ】
菌。
インパール作戦では、ズボンを下ろしたまま死んでいた日本兵が多かったという。これはコレラ。
日本でも19世紀以降、複数回流行。
玉川上水にコレラ菌が流されているというデマをきっかけに、玉川上水が流れる三多摩地区は神奈川県から東京府に移管された。

【エボラ】
ウイルス。
映画にもなって恐ろしいウイルスとして知られているが、あまりにも致死率が激しいので拡がることが少ない。
しかし、2014年では比較的大規模の流行が西アフリカで起きてしまった。
死者の身体に触る葬祭の習慣が要因の一つだったと思われる。
また、当初は白装束の医療関係者に対する反感も生まれてしまった。

「緊急事態の中で、1人が多くをこなさなくてはいけない過酷な状況であるが、可能な限り文字通り双方向のコミュニケーションが大切であることがわかる。しかし、この実現には事態発生前の日常のネットワークができていないと大変難しい。」

現在の状況にも示唆的な指摘。
WHOの対応が遅れたという指摘はこのときもあった。

また、エボラの発生によって医療状況が悪化し、他の病気で亡くなる人が増えてしまったとの指摘もある。
エボラから奇跡的に生還した准看護師のカルワさんは、その後出産時の合併症で亡くなってしまったという。

【SARS/MERS】
現在話題?のコロナウイルス。
この章は現在公開されています。
是非ご一読を。
https://www.maruzen-publishing.co.jp/info/n19784.html


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