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静嘉堂文庫美術館「 響きあう名宝 ―曜変・琳派のかがやき―」 [芸術]

二子玉川にあった静嘉堂文庫美術館の展示ギャラリーが丸の内に移転したとのことで行ってきました。
https://www.seikado.or.jp/exhibition/current_exhibition/

テレビで開館記念展をやっているのを見て行こうとしたら既にチケット取れず。
諦めずに日々チケット予約を眺めていたところ、1つだけ空きが出た瞬間に予約。
会期末ギリギリで行ってきました。

展示は大きく、名宝、中国文化、琳派、曜変天目と分かれていて、入るなり予約制なのに混んでいるので、
目当ての琳派に直行したあと、全体を見て回りました。

展示替えがあって、国宝の俵屋宗達「源氏物語関屋澪標図屛風」は見られなかったけれども、六曲一双の酒井抱一「波図屏風」 を見られたので、満足しました。
尾形光琳の金より酒井抱一の銀の方が好きですね。

本阿弥光悦「草木摺絵新古今集和歌巻」は地味に良かったです。
短歌や書はよくわからないのですけれど。

中国の馬遠、牧谿、沈南蘋の絵もさっと見て、最後は曜変天目を見ました。
曜変天目、人垣が出ていました。
二子玉川で見たときはぽつんと置かれていて、これすごいの?という感じでしたが・・・。
照明の具合もあるのかキラキラ輝いていて、きれいでした。
でも、あの釣り糸みたいなもので固定するのはなんとかならないものですかね。

在宅勤務が中心となり、会社にも毎日行かないし、ましてや丸の内なんて久し振り。
明るくてきれいで良いですね。
昔、大手町で働いていた頃とかをちょっと思い出したりします。
ここで働けたら良いですね。
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根津美術館「鈴木其一 夏秋渓流図屏風」 [芸術]

最近魚釣りにかまけていましたが、寒くなったし、何よりも忙しくなって行けなくなったので、久し振りに美術館に行ってきました。
もしかして、美術館、1月に行って以来かも。

琳派というとその名の通り尾形光琳が有名です。
しかし、他にも魅力的な絵師はいて、光琳より前の時代の俵屋宗達や、光琳の後、江戸の酒井抱一のほうが好きだったりします。
そして酒井抱一の弟子であった鈴木其一。知名度こそ宗達や光琳に譲るものの、外れがないし、素晴らしい。
もっと人気があってもいいと思うんですけどね。


https://artexhibition.jp/topics/news/20211102-AEJ553950/
https://eclat.hpplus.jp/article/78610/02/

今回の展覧会は、文字通り、代表作である夏秋渓流図屏風に焦点を当てたもの。
教科書にも出て来る絵なのに、2020年に其一の作品としてはじめて重要文化財に指定されたそうです。

この夏秋渓流図屏風が琳派や応挙、狩野派や谷文晁の影響をどのように受けているか、
さらには其一自身の作品の中でどのように位置づけられているのかを丁寧に解説されていました。
展示されている絵もこれくらいの量がじっくり見られて良いですね。

以下、気になった作品です。

酒井抱一「青楓朱楓図屏風」
鈴木其一の師匠にして、江戸琳派の創始者である酒井抱一。
紅梅白梅図と同じように対称が強調されている構図。
ただし、青楓朱楓図については、かつて久留米の石橋美術館にあり、現在アーティゾン美術館にある池田孤邨のバージョンのほうが表装も含めて好きかも知れないです。

酒井抱一「夏秋草図屏風」
これは何度も見ている有名な絵で、好きなものの一つ。重要文化財。
これを見られただけでもうかなり満足してしまいます。
有名な話ではありますが、もともと光琳の風神雷神図の裏に描かれていたもの。
風神に風に吹かれる秋の草が対応し、雷神に雨に濡れる夏草が対応しているのですね。
紺と灰色の色の組み合わせも良い感じです。

鈴木其一「夏秋渓流図屏風」
これが今回の主役、大きな絵です。
この絵で、なぜ檜なのか、水が中央に集まって流れてきているのか、そしてなぜ檜に蝉が止まっているのかがこれまでの絵で説明されています。


鈴木其一「桜花返咲き図扇面」
赤系の色で扇面にまとめられた絵。
小粒ながら気に入りました。

鈴木其一「楓に芍薬図」
芍薬に蝶が止まっている。
芍薬は左下に配されて、止まっている蝶が真ん中に来ている。
日本絵画って構図が良いですよね。

鈴木其一「秋草・波に月図屏風」
これもなかなかうならせる。立てて表裏見えるように展示されていました。
秋の七草が右下から左上に昇るように配置されています。
其一の朝顔の青と葛の花のピンクも印象的。
そして、裏はあっさりと波と月が金泥のみで書かれているのですが、この月が表の秋草の葛の花の後ろからうっすらと見えるのですよ。

鈴木其一「群鶴図屏風」
これは好きと言うより、今のポスターにあっても何の違和感もない、現代的な絵だなと思って感心しました。

図録を買って帰って解説を読んでいると、其一もやっぱり海外に流出している作品が多い様子。
アメリカ行きたいな・・・日本美術見に。
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琳派と印象派その2 [芸術]

誕生日の1月23日、再びアーティゾン美術館、再び「琳派と印象派」に行ってきました。

前回は風神雷神図が展示されていない会期だったこともあり。

今のご時世らしく予約制なのに、着いたら入口前に長蛇の列で入場規制されていて、冷たい雨の中を結構待たなければなりませんでした。中もそれなりに混んでいたし。会期末だからでしょうか。

実のところ、印象派の絵画以外、つまり琳派の絵は相当入れ替えられていたようで、混んでいたけれども楽しめました。

・酒井抱一・鈴木其一「夏図(十二ヵ月図の内)」
酒井抱一・鈴木其一との凶作。
3幅だが構図が素晴らしく、漫画のようなユーモアもある。
一番面白いのは絵が表装まで拡がっていて、掛け軸の日本の紐(風帯)まで本物ではなく絵で描かれている。

・酒井抱一「芥子藪柑子図」
芥子(けし)と藪柑子(やぶこうじ)の二幅。
芥子の図の構図、余白とのバランスが素晴らしい。

・池田孤邨「四季草花図屏風」
六曲一隻。
池田孤邨は青楓朱楓図屏風で興味を持っていましたが、これも素晴らしい。
朱と緑の対比が中心にあって、右上から左下に展開している。
右上の紅梅白梅の形は、尾形光琳の紅白梅図を想起させる。

・俵屋宗達「風神雷神図」
京都国立博物館で見た以来ですが、そのときより小さく感じました。
二曲一双なので左隻と右隻の間隔で印象が変わるような。


あと、印象派の絵は・・・勉強中です。

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琳派と印象派 [芸術]

オープンしてから行こうとは思っていたアーディゾン美術館ついに行ってきました。

「琳派と印象派」
https://www.artizon.museum/exhibition_sp/rimpa/

都心のど真ん中にあるし、その割に落ち着いた空間で良いですね。
ご時世のせいか事前予約が必要だからか、混み合っていて見えないとかそういうストレスがないのも良かったです。

琳派と印象派という2つの都市の文化を比較するというテーマですが、どうでしょう。
前半が琳派で後半が印象派です。中盤で比較されているものの、まあ、体系が違いますからね・・・。
琳派をじっくり見て、印象派はさっと見て終わりにしました。
風神雷神図は後期だったので、また見に来ることにします。

福岡県の久留米市にある石橋美術館で見た作品も再見しました。
東京で見られることがうれしい反面、久留米の人達のことを思うとちょっと複雑です。

・「洛中洛外図」
これは誰が書いたものなのでしょうね。金をふんだんに使った豪勢なものではありますが、岩佐又兵衛の舟木本のほうが迫力があるかな。

・本阿弥光悦・俵屋宗達「桜柳下絵新古今和歌巻」
鶴下絵三十六歌仙和歌巻と同じコンビの作で素晴らしい。
ただ、展示されている下絵は桜しか見えませんでした。他の部分に柳がある??
あと、順路に沿ってみると絵巻を左から右に見ることになるのがちょっと・・・。

・鈴木其一「夜桜図」
これはすごかった。
墨のモノトーンだけで描いた桜、それも夜の。

・池田孤邨「青楓朱楓図屏風」
これは久留米で見て気に入ったもの。
絵も良いし、表装も素晴らしい。
これは今回の他の琳派の展示にも通じるもので、絵の周りも素晴らしい。

・中村芳中「四季草花図扇面貼交屏風」
扇の中に収めた草花、しゃれています。

常設展には、青木繁の「海の幸」、「大穴牟知命」、「わだつみのいろこの宮」もありました。
佐伯祐三の「靴屋(コルドヌリ)」 もありました。
これも東京に来ちゃったのですね。


あと、コロナ禍のせいか、自分のスマートフォンで聞く形式のオーディオガイド、増えましたね。
次回はイヤホンを忘れないようにしなければ。

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フランス絵画の精華 ー大様式の形成と変容 [芸術]

会期終了日のぎりぎりに東京富士美術館の「フランス絵画の精華 ー大様式の形成と変容」を見てきました。
https://www.fujibi.or.jp/exhibitions/profile-of-exhibitions/?exhibit_id=1201910051

美術検定3級を受けてから、西洋絵画を勉強中です。
名の通りバロックやロココの絵画が展示されていましたが、様式も理解して鑑賞できるにはまだ蓄積が必要ですね。
よく美術検定通ったな・・・。

ポスターの顔となっているルブランのポリニャック伯爵夫人(公爵夫人)はやはり印象的でした。

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京都国立近代美術館「円山応挙から近代京都画壇へ」 [芸術]

京都の旅行で最後は、京都国立近代美術館です。

「円山応挙から近代京都画壇へ」
https://okyokindai2019.exhibit.jp/

ここは恐らく来たのは初めて。

それまでの絵が、書かれた内容についての知識がなければ理解できなかったのに対し、「写生」を重視した円山応挙の絵はわかりやすく、人気を博し、円山派につながりました。

さらに、呉春は与謝蕪村、円山応挙に学び、四条派につながっています。

円山応挙、与謝蕪村、呉春、長沢蘆雪の絵と共に、それにつながる近現代の絵も展示されているのが、近代美術館ならではといったところでしょうか。


どうしても最近の絵より、昔の絵に関心が向いてしまいますが、菊池芳文「小雨ふる吉野」は巨大なふすま絵で、右から左に桜が迫ってくる構図、花びら一つ一つ書かれた桜の花が圧巻でした。
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泉屋博古館「花と鳥の四季 -住友コレクションの花鳥画」 [芸術]

京都で哲学の道を歩いたところ、近くに泉屋博古館なる美術館を発見。

泉屋博古館「花と鳥の四季 -住友コレクションの花鳥画」
https://www.sen-oku.or.jp/kyoto/program/index.html

kyoto_023.jpg

観光客だらけの京都の中で、のんびりと空いていて良かったです。

江戸の中期、沈南蘋(しんなんぴん)なる画家が来日して、明清時代の花鳥画の影響をもたらしました。
沈南蘋は日本でこそ有名なものの、中国ではそうではないそうです。
日本美術は中国美術の強い影響を受けていて、模写したりしているので、この展覧会のように中国絵画と日本絵画を並べて展示するととてもよく理解できます。

沈南蘋の「雪中遊兎図」をはじめ、彭城百川の「梅図屏風」、伊藤若冲の「海棠目白図」など、バランス良く展示されていました。

展覧会の紹介ウェブサイトで、画像をリンクしているのも良いですね。
展示会の順路で、春から冬へと四季に沿って絵を展示しているのもしゃれていました。

なお、この泉屋博古館は極めて充実した青銅器のコレクションがあってびっくりしました。

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京都国立博物館「佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美」 [芸術]

会期終了間際の、京都国立博物館の展覧会に行ってきました。

佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美
https://kasen2019.jp/

kyoto_003.jpg

佐竹本三十六歌仙絵は、鎌倉時代に書かれた三十六歌仙のプロフィール、和歌と姿の絵が並べられた絵巻。
秋田藩主佐竹家に所有されていましたが、売りに出されることになりました。
しかし、あまりに高い値がついて買い手が現れない。
このままだと海外に流出するかも知れない。

ということで、なんと絵巻が切断されて、当時の財界人たちが分担して買い取ったというのが100年前、1919年の話。

諸行無常、栄枯盛衰でそれぞれの所有者も変わっていき、不明になってしまったものもある中で、そのほとんどが切断100周年に終結する、という少々芝居じみた展覧会でもあります。

切断したのが良かったのか悪かったのか。
ただ、切断したそれぞれは表装され、絵巻とは違って気軽に楽しめるようになりました。
また、それぞれの新たな所有者が工夫を凝らした表装そのものが見所です。

ただし、やはりこうした作品を楽しめるには、和歌の知識が必要で、書も楽しめる必要があり、ちょっと私には難しかったです。
なんて書いてあるかわからないですからね。

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東京都美術館「コートルード美術館展」 [芸術]

このところ旅行や引っ越しにかまけていて、美術館に行ったのは5月が最後。
しかし、美術検定3級を受けて再び活性化され、不得意な西洋美術も学び直しだと思っていってきました。

コートルード美術館展
https://courtauld.jp/

ロンドンには何度も行っているのに知らなかったコートルード美術館というものがあり、たまたま改装をしているために、その間に収蔵品が日本に来たと言うことのようです。

対象にしているのは印象派とポスト印象派。
日本でも人気があって、自分でもある程度は知っている分野だったので楽しみつつ、知識を広げることが出来ました。
というより、ある程度知っているどころか教科書に乗っているような主要な絵が並んでいて、ちょっとびっくりしました。

セザンヌについては、これだけまとまってみたのは初めてだったので、勉強になりました。
印象派の絵とは明らかに違うし、美しい景色とは言え、何でもない風景も書いているんですよね。
絵によって色も随分と違う。
有名な「大きな松のあるサント・ヴィクトワール山」は赤っぽいけども、「ジャス・ド・ファン・ファンの高い木々」は緑っぽい。

そして、遠近法を無視して歪んだ空間や歪んだ人を意図的に書いている。
これは、「カード遊びをする人々」や「キューピッドの石膏像のある静物」を見ると明らか。

ドガの「「舞台上の二人の踊り子」も照明の明かりの陰影と動的な構図が、解説にもあったように写真のようです。

そして後半には展示会の顔となっているのはマネの「フォリー=ベルジェールのバー」。
美術検定3級の試験にも出題されて、なかなか苦戦させられたので、敵を見るように・・・ではなく、細部まで関心を持って、真面目に見ました。

そのほかにも、モネ、ルノワール、ピサロ、シスレー、スーラ、ルソー、ゴッホ、モディリアーニ、ロートレック、ゴーギャン、ボナールとこれでもかという大御所。

画家別にまとめられて展示されていることと、全体的に解説が丁寧なのが良かったです。
いくつかの主要な絵については別途絵の解説パネルがあり、構図等について説明されていました。
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美を紡ぐ 日本美術の名品 ―雪舟、永徳から光琳、北斎まで― [芸術]

5月なのに暑くてやってられないので、涼しい博物館に行ってきました。

美を紡ぐ 日本美術の名品 ―雪舟、永徳から光琳、北斎まで―

狩野永徳「檜図屛風 」など国宝も出ていて、そのほか、継色紙「よしのかは」伊勢集断簡(石山切)「秋月ひとへに」、長沢芦雪「花鳥遊魚図巻」も良い感じでした。
料紙って好きなんですよね。

特定の絵師、時代というのではなく幅広く取り上げられていました。

その他の常設展もさっと見てきましたが、さすがは東京国立博物館、解説はとても丁寧、英語、中国語、韓国語も併記されていて、感心しました。


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