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途上国の開発 [放送大学]

今日は会社を早上がりして、放送大学の「途上国の開発」の試験を受けてきました。
試験会場に着いて周りを見渡したら、定年後のような人達が中心で、現役で働いているような人は見あたりませんでした。
普通、会社があったらこの時間に来るのは難しいですよね。
なんだかんだ言って、私の会社、良い会社です。

さて、「途上国の開発」、名前の通り開発経済学と言われる分野です。
まえがきに「途上国の指導者になったつもりで考えてみるとわかりやすいかも知れない。」と書かれていますが、なかなか国を発展させるというのは難しくて、いろいろ落とし穴があります。

まず、食うや食わずの状況の国では、食糧不足を解消することが優先されます。
そこで農村でどう自給体制を確立するか。農民のやる気を引き出す工夫が必要です。

次に食料充足すると、次は工業化を進めなければなりません。
なぜなら、農業だけでは所得が増えないし、地主、小作と言った格差が解消できないからです。

しかし、単に市場を放っておくと、木材を切り尽くして輸出してしまうとか、持続的ではない産業構造になってしまいます。
そのため、適度に自国の市場を守ったり、抑制された融資をしながら産業を育てなければなりません。
それに、農業だけでも社会構造は安定してしまうので、工業化をするには指導者の強い意志が求められます。
開発独裁も一概には否定できないところです。

ただ、自国の産業が育ってきても保護を続けていると、競争が無く、ダメになってしまいます。
また、むやみに海外から借り入れをして開発をすると、何らかの状況変化で投資を引き上げられるとクラッシュします。
自国の貯蓄に見合った、そして海外投資を受け入れたり、輸出加工区をもうけたり、工夫が必要です。

やっと工業が育ってきても、産業の高度化を図っていかないと、労働集約的な産業では、すぐに後発の国に追いつかれてしまいます。人材育成は早めに手を打っておかなければなりません。

また、農業から工業に産業が転換すると、失業対策、社会保障、税制、金融制度などを整備していかなければなりません。

政府の仕事は多く、官僚制度も重要です。

でも、十分に成長してくると、大きな政府は資源の効率的な配分を妨げてしまうようになります。
こうなると小さな政府にしなければならないでしょうか。


こう考えてくると、日本がどうして発展できたのか、不思議な気がしますね。

講義は二人の先生が毎回ペアで話をしていて、現状の報告、その理論的な分析という形で話が進みます。
わからないこと、答えがないことは率直にそのとおり話してくれるし、単に学問のためではなく明確な問題意識を持って議論されていたので、非常に勉強になりました。

今まで受講した科目の中でも難しいと感じましたが、その分おもしろかったです。

さあ、今期の試験は残り1つになりました。
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