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アメリカの歴史と文化 [放送大学]

今学期の科目の最後はアメリカの歴史と文化。

大航海時代の西欧による世界の圧倒とか、歴史を学んでいて不思議に思うことはいくつかありますが、アメリカ合衆国の急速な発展というのもその1つです。

今となっては当たり前のように感じてしまいがちですが、18世紀に植民地として新たな歴史を始めた国が、独立後200年で経済、軍事、メディア、科学技術とあらゆる面で超大国に発展したことはとても不思議なことです。
同じように植民地となった中南米と比較してみれば、その違いが明らかです。

そう考えると、「合衆国の歴史は短くこそあれ、浅いとはいい切れないのではないであろうか」というのが教科書の最初のほうで書かれている言葉です。

何と言っても、1789年にワシントンが初代大統領に就任して以来、ずっと大統領を選挙で選んできた国で、民主主義の経験は深い。

歴史のほとんどは1620年のプリマス植民地以降の話で、日本でいうと近世、近代、現代の範囲の話が中心になりますが、冒頭で先住民の話にも触れられます。
南米に行くとほとんど先住民は見られず、西欧からもたらされた病原菌で死んでしまったということですが、北米でも同様のことは起こったようです。
1960年頃までは、コロンブス航海当時の北米の人口は100万人程度と言われてきましたが、現在では200~800万人の範囲、おそらく600万人弱という説が受け入れられているそうです。

イギリスの植民地として合衆国は出発していますが、最初こそそうであったものの、18世紀になると急速に移民が増えて膨張し、その中でイングランド系は10%に満たなくなり、スコッチ・アイリッシュ、アフリカ系(奴隷)、ドイツ系、スコットランド系と多様化していきます。19世紀になるとスラブ系、ラテン系、ユダヤ系、そしてアジア系も増えていき、最近ではヒスパニックが増えて最大のマイノリティとなっています。そうした変化をしながら急速に発展してきたことになります。

新しい国でありながら、18世紀の時点でヨーロッパより識字率が高くなっていたようで、それが植民地の政治文化にも影響していたとも考えられます。

領土も19世紀に西に拡大して今の姿となりますが、ペリーが日本に来航したのは領土が太平洋に到達したのに続く時期でした。

後は戦争の影響の大きさ。
第二次世界大戦では男性が多く動員されたために女性や黒人が労働者として駆り出され、それがその後の社会進出、公民権運動の要因ともなっています。ベトナム戦争の影響もよく言われるところです。

公民権運動やフェミニズムも流れを追っていくと一筋縄ではなかったことが分かります。
南北戦争で黒人奴隷が解放されたのになぜ公民権運動が起きたのかはよく分かっていなかったのですが、そもそも字が読めないと選挙に参加させないとか、差別がずっと続いていたのですね。
また、フェミニズムも振り子のように触れていて、第二次世界大戦後は復員兵に職場を譲って女性が家庭に入る傾向が強まったり、一旦第二次フェミニズムが盛り上がった後、保守主義が強まったりして現在に到っています。


映像やインタビューもあって楽しく勉強できましたが、試験は難しかった。
選択式ではあったけど、他の科目と比べて文章がとても長く、「誤っているものを選べ」という形式ですが、文章の本筋が間違っているようなはっきりしたものはなくて、ちょっとした用語などが違っているというもの。
単位はとれたとは思いますが・・・。










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ours

勉強になります!
by ours (2013-02-03 01:13) 

高谷徹

ありがとうございます!
by 高谷徹 (2013-02-03 15:47) 

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