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「古事記」と「万葉集」 [放送大学]

最後の試験科目は「古事記」と「万葉集」。

(前の)大学生のときに暇に任せて古事記の全訳を読んだこともあり、好きなテーマの一つです。
聖書の福音書と並んで面白いと思うのですが、どうでしょうか。

古事記と日本書紀は何が違うのか、というのは学校で習ってもよくわかりませんでしたが、古事記は宮廷史をまとめた内的な文書であり、日本書紀は中国も含めた外部に対する公的な歴史書だったというのがこの教科書での解釈です。

言われてみれば当たり前ですが、日本語を漢字で表記することは容易ではありません。
漢字は中国語の発音、意味と密に対応していて、日本語の表記に活用しようとすると、音をあてるか、意味をあてるかのどちらかしかできません。
日本書紀は対外的な公的文書なので、意味、つまり漢文で書かれていますが、古事記は音と意味が併用されています。
神の名前はもちろん、口承もあるため、漢文だけでは表記できなかったということのようです。

内容自体の解釈は、現代の日本人の感性とも異なるので、いろいろな説を見るだけで、文化人類学的な興味も尽きません。
読む都合上、天皇の系図も見ますが、女性天皇もいるし、大兄制度、兄弟相承、末子相続などが入り交じっていてめちゃくちゃです。
少なくとも、現代の天皇制の男子、長子の相続とは全く異なっていることがわかります。


そして万葉集。
こちらは全く前提知識がないので、少し難しかったです。
古事記と同一の世界観を共有しているということで一つの科目となっていますが、短歌だけではなく長歌や旋頭歌も多いので、読んでいても意味がよくわからないです。

ただ、今での新聞に載っているような短歌と、当時の短歌は異なるということはわかりました。

当時の短歌は寄物陳思歌と呼ばれるものが主体です。
これは、上の句で何らかの事物について述べ、下の句でそれの心情を読むというものです。
例えば、こんな感じです。

 道の辺の壱師の花のいちしろく
 人皆知りぬ我が恋妻を

こうした構造は、何らかの現象が起き、そこから神の意志を読み取るという、古代の占いのような考え方を反映しているようです。

また、歌のやりとりは東南アジアに見られる歌垣との共通性も指摘されていて、歌によって相手を屈服させるというやりとりは、今のラップにも通じていて、面白いですね。
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