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梅村担「内陸アジア史の展開」 [読書(教養書・実用書)]


内陸アジア史の展開 (世界史リブレット (11))

内陸アジア史の展開 (世界史リブレット (11))

  • 作者: 梅村 坦
  • 出版社/メーカー: 山川出版社
  • 発売日: 1997/01
  • メディア: 単行本



家に溜まっている未読本を片付けるシリーズ。
薄いやつからです。

いわゆる中央アジアの歴史を概観している本。
記述内容は「歴史」に限定されていて、どのような民族がいて、どのような王朝ができたかということをずらずらと書いてあります。

中央アジアの歴史に関する本は何冊か読んだことがあって、ウズベキスタンにも行ったことがあるので何とかついて行けましたが、地名や主要な王朝、民族が分かっていないと相当つらい感じです。

著者は内陸アジア史、ウイグル民族史を専門にしていると言うことで、中央アジアのテュルク化をもたらしたウイグルの西遷と定住化については詳しく書いてありました。

また、チベット仏教のモンゴルへの伝播の経緯も詳しく書いてあったのですが、このあたりは難しくてよく分かりませんでした。
行ったことないですし。
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高橋真樹「イスラエル・パレスチナ 平和への架け橋」 [読書(教養書・実用書)]


イスラエル・パレスチナ 平和への架け橋

イスラエル・パレスチナ 平和への架け橋

  • 作者: 高橋 真樹
  • 出版社/メーカー: 高文研
  • 発売日: 2002/05
  • メディア: 単行本



最近こんな本ばっかり読んでますね。

世界を船で回るピースボートに、国際学生として乗船した学生、特にパレスチナ人の男性と、イスラエル人の女性に焦点を当てて、物語風にイスラエルとパレスチナ問題を紹介した本。
最近ではあまりニュースにもならなくなったパレスチナ難民の生活の実態が記述されている。

イスラエル人と言ってもイスラエル政府に反対の立場の女性なので、全体としてパレスチナ人の同情的な立場で話が進んでいく。
いや、客観的に見てもイスラエルよりパレスチナ人のほうがかわいそうなんですけど。

ちなみにこれも2001年のピースボートについて書いた本であり、もう12年前。
それから新しい本が出ていないというのは、パレスチナ問題が片付いたからということではなく、何も変わっていないからでしょうか。


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上田和夫「ユダヤ人」 [読書(教養書・実用書)]


ユダヤ人 (講談社現代新書)

ユダヤ人 (講談社現代新書)

  • 作者: 上田 和夫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1986/11/20
  • メディア: 新書



イスラエル旅行の予習として読み、出発の直前に読み終わりました。

ユダヤ教、ユダヤ人の生活習慣について基礎的な説明をした上で、古代から、イスラム・スペイン、中世、東欧、ヨーロッパ近代、現代とユダヤ人の生活を歴史をなぞりながら解説している。

歴史的な史実というよりも、それぞれの時代、場所で活躍したユダヤ人をあげて説明する、というスタイル。

ユダヤ人にどのような差別が行われてきたのか。ホロコーストは最大の物ですし、金貸しというイメージがあったのは知っていましたが、ペストの犯人にされたり、儀式殺人、聖餅冒涜などは知りませんでした。

旅行する前に読んでおいて良かったと思うのと同時に、旅行してから読んだ方が頭に入ったという気も。

ちなみに、この本も1986年に第1刷で、私が読んでいるのは第44刷という息が長い本です。
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高橋和夫「アラブとイスラエル パレスチナ問題の構図」 [読書(教養書・実用書)]


アラブとイスラエル パレスチナ問題の構図 (講談社現代新書)

アラブとイスラエル パレスチナ問題の構図 (講談社現代新書)

  • 作者: 高橋 和夫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1992/01/16
  • メディア: 新書



イスラエル旅行から帰ってきて、部屋に積まれていた本から引っ張り直して読みました。
もしかしたら一度読んでいたのかも知れませんが、地名や地形、現地の博物館で見た物、人をイメージするとおもしろいし、いろいろなものが結びついていくようで、すいすいと読めました。

概説書であるという前書きでの断りがありますが、国際政治全体という視点からの中東政治の解説であり、単なる中東での事件の羅列ではない、動的な歴史が感じられます。

・イスラエルに入植していったヨーロッパからのユダヤ人は、パレスチナ人(地主)から土地を買い取り、もともとはホワイトカラーであったのに農業に従事していった。ヨーロッパでは差別され、土地を所有できなかった歴史を背景にしている。結果として、小作のパレスチナ人を追い出すことになった。

・1948年の第一次中東戦争(独立戦争)は、アメリカのトルーマン大統領にとって、ユダヤ人が多いニューヨーク州の選挙を控えたタイミングであり、アメリカは直ちにイスラエルの建国を承認した。

・1956年の第二次中東戦争(スエズ危機)では、アメリカのアイゼンハワー大統領は共和党でユダヤ票をあてにしないでよい状況にあり、戦争を起こしたイスラエル、イギリス、フランスに強硬に反対することとなった。

・1967年の第三次中東戦争では、先制攻撃したイスラエル軍の電撃作戦の前にアラブは退廃し、多くの土地を奪われてしまった。
イスラエルは国民が少なく、予備役によって十分な兵力を動員するには一定の時間がかかり、かつそれを長期間維持すると経済がダメージを受ける。従って、先制攻撃への誘因がある。

・1973年の第四次中東戦争は、緒戦でアラブが優位であり、イスラエルはアメリカに軍事援助を求めたが、アメリカは直ちにそれに対応しなかった。しかし、イスラエルはこのときには核武装しており、核兵器使用を辞さない態度を示したために軍事援助をすることとなった。

・核武装したイスラエルを消滅させることは非現実的であり、エジプトはイスラエルと和平を行った。しかし、その結果としてイスラエルは南の圧力を気にする必要が無くなり、後のレバノン内政への干渉を招いた。

・イスラエル社会は上位にヨーロッパからの移民であるアシュケナジム、その次にイスラム圏からの移民のセファルディム、そして最底辺にアラブ人という階層社会。しかし、下になるほど出生率が高いために社会が変質して行っている。保守強硬派が政権を握るようになり、アメリカ(のユダヤ人)がイスラエルを見る目も変わってきている。

・実際問題として、ユダヤ人は税金が高く徴兵があるイスラエルよりもアメリカに移民する傾向がある。アメリカからイスラエルに移民してもかなりが戻ってしまう。ソ連崩壊時にイスラエルからの移民が急増したのは、アメリカのユダヤ人のロビーによってアメリカがユダヤ人の移民を制限したため。
このようにユダヤ人のイスラエルへの移民は思うように進まない一方で、上述の出生率の違いがあるため、イスラエル社会はどんどん変わっていく。

・ソ連が崩壊して冷戦も終わり、アラブの後ろ盾がなくなる。産油国からPLOへの支援もこれまで通りではなくなる。アメリカのイスラエルへの同情も変化している。結果として関係国は和平交渉につかざるを得ない状況ができた。


さて、この本はここで止まっています。
私が持っているのは25刷ですが、第1刷は1992年です。
もう20年以上も前に書かれたということになります。湾岸戦争の直後です。

関連の本を見てみても、それ以降にこの類いの本が多く出されているようでもないようです。
大きな戦争が起きていないからか、あるいは日本人の関心が低下しているからでしょうか。

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新約聖書 [読書(教養書・実用書)]


新約聖書 1 (文春新書 774)

新約聖書 1 (文春新書 774)

  • 作者: 佐藤優・解説
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/10/19
  • メディア: 新書

新約聖書 2 (文春新書)

新約聖書 2 (文春新書)

  • 作者: 佐藤 優・解説
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/11/17
  • メディア: 新書



以前に放送大学で「西洋美術の基礎知識(新約聖書)」という面接授業を履修した際に、新約聖書の福音書を読んだのですが、
http://t-takaya.blog.so-net.ne.jp/2012-11-12

ようやくいまごろになって新約聖書を読み終わりました。
非キリスト教徒の私にとっては、おもしろいと言うより不思議な本ですね。
キリスト教がどのように成立したかの雰囲気が感じられます。
この本は非キリスト教徒のための新約聖書とされていて、あの元外交官の佐藤優が解説しています。

聖書の前半は、イエス・キリストの一生を描いた福音書です。
ただ、福音書というのは一つではなく、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネと4つもあり、それぞれ同じイエス・キリストの一生を描いているはずですが、細部は微妙に異なります。なぜ一つにまとめなかったのか不思議です。
いずれにせよ、西洋の宗教画に描かれる場面が次々と出てくるので、どこかで聞いたようなシーンや言葉がたくさん出てきます。

イエス・キリストの話はたとえ話や逆説が多く、「しかし、私は言っておく」といった独特の言い回しがあって、いろいろ解釈のできそうなストーリーとなっています。

一般のイメージと違って、イエスの母のマリアなんてほとんど出てきません。今のカトリックやプロテスタントの姿というのは、いろいろな要素や解釈が入った姿であろうことが感じられます。



福音書ではイエス・キリストが死んで(復活して)終わってしまいますが、その後に続くのが使徒言行録。
イエス・キリストの弟子達の活躍を描くストーリーで、これも結構おもしろい。

イエス・キリストは人々に受け入れられずに処刑されてしまった一人の宗教家なわけですが、これを意味づけてキリスト教というものを作り出したストーリーと言って良いと思います。キリストが神聖視され、それを信じることが重要だと言うことにされるのですが、それをキリスト自身が語るわけには行かないので、福音書では寡黙だった神が雄弁となり、弟子達に「語って」その意志を伝えています。

ここでパウロという人物が現れます。彼はイエス・キリストに会ったこともない人物でキリスト教徒を迫害する立場でしたが、神の声を聞いてキリスト教の中心人物になります。それどころか、死んでしまったイエス・キリストを神聖視して信じるキリスト教という形を作ったのは彼のようです。

ユダヤ人には相変わらず広がらないキリスト教が外国人に受け入れられはじめてしまい、世界宗教となっていく様子もうかがえます。


そして続くのが書簡集。
「ローマ信徒への手紙」とか手紙形式の文章が続くのですが、ここは説教のようなもので、キリスト教を信じなさい、間違ったことを言う人を信じてはなりません、迫害されても耐えるのです、といったことが延々と書いてあり、キリスト教徒でない人にとってはかなり退屈で投げ出しそうになります。

ただし、当時キリスト教徒がどのような立場にあったのかがうかがえますし、当時は「終末」が今すぐにでも来そうな言い方で恐怖心をあおって布教していたように見えます。


最後はヨハネの黙示録。
凄惨な世の終末を描いているような文章ですが、7つの天使が、7つのラッパがといった調子で、さっぱり意味が分からない不思議な文章です。


まあ、誰にでも勧める本とは言えないですが、福音書、使徒言行録あたりを読むのは、現在のキリスト教からイメージされる内容とちょっと違う世界を感じられて、キリスト教徒以外にもおもしろいかも知れません。
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イザベラ・バードの日本紀行 [読書(教養書・実用書)]


イザベラ・バードの日本紀行 (上) (講談社学術文庫 1871)

イザベラ・バードの日本紀行 (上) (講談社学術文庫 1871)

  • 作者: イザベラ・バード
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/04/10
  • メディア: 文庫



イザベラ・バードの日本紀行 (下) (講談社学術文庫 1872)

イザベラ・バードの日本紀行 (下) (講談社学術文庫 1872)

  • 作者: イザベラ・バード
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/06/10
  • メディア: 文庫



Kindleで読む本第2弾。
それなりに厚い・・・かは電子書籍なので分からないとしても分量がありましたが、出張の移動時間も費やして読み終わりました。

著者のイザベラ・バードはイギリス人の旅行作家で、開国直後の19世紀末の日本を旅行した記録がこの本です。
旅行記と言うより書簡形式となっています。

この本の読みどころは、日本人でもよく知らないこの時代の日本の生活が垣間見られるところと、当時日本を訪れていた数少ない西洋人も足を運ばなかった東北を旅行しているところです。横浜から入国し、江戸を通り日光を通り新潟に抜け、北上して青森まで行ってさらには北海道に渡ってアイヌの生活を見て、函館から船で本州に戻り、神戸、伊勢神宮、京都にも足を運んでいます。

書かれる日本の様子は、なかなか衝撃的です。美しいかつての日本なんてものを想像すると期待を裏切られます。
著者は20世紀以降に生まれた文化相対主義とは無縁の時代の価値観なので、文明と未開というフレームが見え隠れします。今で言えば偏見としか言いようがない表現も散見されます。しかし、だから率直で、西洋人から見た日本がどう見えたかもわかっておもしろいのです。

日本人については、貧相な体格、歩き方、顔つきも含めて会う人会う人「醜い」「汚い」という描写が頻出します。食べ物もひどいし、たくあんという「スカンク並に臭い」食べ物に辟易します。

ただ、これは一概に偏見と切り捨てる事はできず、どうやら当時の日本人は本当に汚かったようです。風呂も入らず、服も着替えず、不潔が原因の皮膚病が蔓延しており、家は蚤と蚊でいっぱいです。
女性はなぜか顔を白塗りして、歯を黒く塗っているし。

そもそも、旅行した季節が春から秋と言うこともありますが、男性も女性も服をちゃんと着ていない。ほとんど裸の人が多い。街を訪れる度に村中の人が集まってじっとのぞき込み、プライバシーも何もない。当時のイギリス人の道徳観から言えば、相当ひどいものだったようです。
あまり具体的な描写はなされませんが、日本人は嘘つきでみだらで道徳観にかけるという評価です。

その一方で、街にはゴミが落ちておらず、田畑は雑草一つなく手入れされ、貧しくきつい労働をしている人はいても、物乞いはいないことに驚きます。

村の様子は場所によって随分違ったようで、山間部はどうしようもなく貧しい様子で、一方意外?に、山形がとても発展して豊かな様子が書かれています。ただし、その山形付近は別として、全般的に道はひどく、雨が降ればぬかるみ、川も橋が流されていたりして、難行苦行です。また、次に行く場所について聞いても、知らないのか知っていても答えないのか、どこでもまったく要領を得た答えが返ってこない。

ただし、北海道については違った表現で、アイヌについてはその純朴さを評価し、容貌の美しさも評価しています。もっとも、これも文明と未開という立場がより明確であるからこそという気もします。

宗教についてもたびたび言及されるのもおもしろいところです。本人は当然キリスト教徒であり、各地でのキリスト教伝道の様子は異常な執念と思われるほど事細かに書かれています。一方で、寺院や神社は異教徒のもの、空虚なものという位置づけです。
日本人の宗教心の薄さにはあきれ、道徳心がなく物質的な欲求に動かされているのはそのせいだとの見方です。

もっとも、西欧を知ると、その思想、文化、生活においてキリスト教が以下に深く根を張っているかにうんざりするほどなので、宗教抜きに西欧の文明を受容するという維新のやり方が、前例のない実験だったということにも気づかされます。


この本には白黒のスケッチの挿絵がところどころに入っています。
これくらいだと、KindleのE-Inkでもきれいに見えて良い感じでした。
さて、次は何を読もうか。なかなか数少ないKindle版の中で読みたい本を探すのは難儀です。

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五味 洋治「父・金正日と私 金正男独占告白」 [読書(教養書・実用書)]


父・金正日と私 金正男独占告白

父・金正日と私 金正男独占告白

  • 作者: 五味 洋治
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/01/19
  • メディア: 単行本



さて、Kindleデビューして初めての電子書籍は、「父・金正日と私 金正男独占告白」。
この本は本屋で見つけてちらちらと中身を見ていたのですが、一回読んだら終わりのたぐいの本だし、場所とるしな、ということで断念していたのをKindleストアで見つけて初めて買いました。

PCからamazonで買ったのですが、購入すると、部屋の無線LANにつながっているKindleに勝手にダウンロードされます。おもしろい。

この本は、著者がたまたま北京空港で出会った金正男に名刺を渡したところ、なんとメールのやりとりをするようになり、その後実際に面会してのインタビューもあわせて本にしたもの。

もともとメールのやりとりが中心で、ページの中の文章はすかすかだし、電子書籍で初めて読んでみるのにも良いかと。

内容はさらっと読めるもの。
特に今まで知られていなかった衝撃の事実が明らかになる、というものではなく、金正男という人物の人柄というか、性格がわかるといったほうが良いかもしれない。父である金正日や弟である金正恩については多少言及しているが、基本的に特定の人物に対する批評は慎重に避けている。

金正男という人物は、ディズニーランドにいくために日本に不法入国して捕まったという事件もあり、どら息子といったイメージがあるが、この本を読んでみると、きわめて普通の人物だという印象。

一つは、北朝鮮という国やその外交について、教条的な見方をしていたり、正当化しようとしたりするのではなく、普通に見ている。三世代の世襲は反対しつつも、そうなってしまったからには金正恩がうまくやると良いとか、北朝鮮の経済を立て直すには中国のように改革開放を進めるしかないとか。常識的な感覚を持っている。

その反面、詳細はわからないが改革開放を主張したために北朝鮮の権力の中枢からは外されてしまっていること、メールのやりとりが公開されたことによって北朝鮮から警告を受けてしまったらしいことなどを見ると、権謀術数を駆使して生き残っていくといった非凡さはあまり感じられない。そうした意味でも普通の人物と感じる。

最後に書かれた著者の見立てでは、中国が金正男を事実上保護しているのは、北朝鮮が不安定になったときに金正男を立てるという選択肢を持つためだというが、そこまでうまくいくものかどうか。
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電子書籍デビュー(Kindle届いた!) [読書(教養書・実用書)]

注文したけど年末になると言われ、保護フィルムや電源だけ先に送られてきたKindleですが、ついに届きました!
いよいよ電子書籍デビューです。

kindle.jpg

もともと本は好きですが、とにかく本は場所をとるのが悩みの種です。

スライド式の本棚を買って入れても、すぐにいっぱいになってしまいます。
hondana1.jpg
(写真はイメージで本文と関係ありません)

そこで、スライド式の本棚をもう1つ増やしても、またすぐにいっぱいになってしまいます。
hondana2.jpg
(写真はイメージで本文と関係ありません)

なので、ばかばかばか買っていると、本棚に入らなくなって机まで占有してしまいます。
tukue.jpg
(写真はあくまでもイメージで、特定個人の部屋とは無関係です。)

机もいっぱいになると、床まであふれ出します。
yuka.jpg
(写真はあくまでもイメージで、特定個人の部屋とは無関係です。)

あふれている本って読んでいる訳ではなく、買ってあるだけなんですよね。
紙の本って場所をとるだけではなく、いつの間にか絶版になってしまって入手できなくなってしまうのが問題です。
たとえば、大好きなギャビン・ライアル。一応一通りそろっていて、父から引き継いだものもあって2冊あるのもある。
lyall.jpg

でも、amazonで探してみると、ほとんど入手できなくなっている。手に入るのは深夜プラス1くらい。
なんなんだ。

こういうことがあるので、売っているときに買っておかないとということで貯めていると、あふれだし、さらには読んでない本だから、同じ本を二冊買ってしまったりして・・・。

やはり電子書籍しかない!

早速Kindleストアを覗いて買ってみようと思いましたが、やっぱり電子化されている本は少ないですね。
何となく、新幹線に乗る前のキオスクで本を探している感じです。
なかなか良い本がないけど、時間つぶしにはここから選ぶしかない、というような。
でも、いろいろ楽しみです。

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ウィリアム・H・マクニール「世界史」 [読書(教養書・実用書)]

最近個人的に歴史がマイブームですが、世間でも興味を持つ人はいるようで、書店でも歴史書がコーナーを作って平積みにされていたりします。
この本もそうした本の1つで、「東大・早稲田・慶応で文庫ランキング1位」という宣伝になるのかならないのかよくわからない帯が着いています。



世界史 上 (中公文庫 マ 10-3)

世界史 上 (中公文庫 マ 10-3)

  • 作者: ウィリアム・H. マクニール
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2008/01
  • メディア: 文庫



世界史 下 (中公文庫 マ 10-4)

世界史 下 (中公文庫 マ 10-4)

  • 作者: ウィリアム・H. マクニール
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2008/01
  • メディア: 文庫




上下巻でそれなりに読み応えはありますが、読んでるときは相当没頭できました。
なにしろ扱っているのが「世界史」なので、ざーっと進んでいく感じで、飽きません。

紀元前500年まで、紀元前500年から後1500年、後は1648年、1789年、1914年、1945年と大まかに歴史を区切って世界がどうなっていたかを記述していますが、それぞれの地域での歴史をばらばらに考えているのではなく、いくつかの中心となる文明があり、それらの間、あるいは文明と周辺の影響という見方でとらえています。また、どうしてそうなったかについても、一つの「解釈」が示されているので、ストーリーがかなりはっきりしているように感じます。

古代もかなりしっかり書かれていて、いくつか大きな世界的なイノベーションが歴史を変えていったことも印象的でした。たとえば、紀元前1500年前には誰かが車輪を発明してそこに乗る戦車というものが現れ、戦車を使う人たちが至る所に侵入していった時代があります。その後も、青銅器よりも資源量が多い鉄器で武装するようになったり、馬に乗る騎馬術が生まれたりすると、力の均衡が変わって歴史が塗り替えられていきます。

文明の話になるとどうしてもユーラシア大陸が中心になりますが、アフリカにも触れられており、また、イスラム圏がなぜ近代に停滞してしまったのかも述べられています。

もちろん、こうした見方が正しいかどうかは分からないのですが、事実だけの歴史よりはずっとおもしろいです。

日本もしばしば登場しており、世界史の観点から見た日本はそう見えるのか、という意味で新鮮です。高度成長の解釈のあたりはちょっとステレオタイプに過ぎるように思いましたが。

「銃・病原菌・鉄」や、先日読んだ「アジアと欧米世界」とも少し似ていてお薦めです。
南北アメリカにとって西欧から持ち込まれた病原菌の影響が決定的だったことにも触れられています。

高校までの世界史の授業も、こうしたざっとした概観があってから勉強するとおもしろいのにね。

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加藤 祐三、 川北 稔「アジアと欧米世界」 [読書(教養書・実用書)]


世界の歴史〈25〉アジアと欧米世界 (中公文庫)

世界の歴史〈25〉アジアと欧米世界 (中公文庫)

  • 作者: 加藤 祐三
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2010/03
  • メディア: 文庫



中公文庫では「世界の歴史」という全30巻のシリーズを出していて、本書は25巻目に当たる。
このシリーズでは「古代インドの文明と社会」という3巻目を以前インドに行く前に読んでいて、それもかなりおもしろかったが、この「アジアと欧米世界」も相当におもしろい本。

最近歴史の勉強をしていて感じることだが、最近の歴史の考え方は、地域ごとの政治史を語るのではなく、社会構造や生活まで視野に入れ、他地域との相互関係も見渡しながら理解しようということのようだ。
つまり、ヨーロッパでは、何という王権が何という王権に取って代わりました。ところでアジアでは何という国が何という国に滅ぼされました。ということではなく、たとえば日本史では中国や朝鮮半島の政治状況との関連で理解する、とか、政権の交代だけではなく、検地による村落等の社会構造の変化に着目するといったもの。

この本も「アジアと欧米世界」という名称からわかるように、単なる地域史を扱ったものではなく、15世紀から20世紀初頭までの約500年の、アジアと欧米の関係を俯瞰して見ようという壮大な内容。

このテーマを一言で言えば、ルネサンスが起こり、宗教改革が起こり、イスラムの圧力が高まった時期に、海洋に進出した西欧諸国が、圧倒的な軍事力を背景に、アフリカだけではなくアジア諸国も次々と植民地化していきました、ということ。
高校の世界史の教科書であればそこまでだろう。

しかし、ここには多くの疑問がわいてくる。
なぜヨーロッパ諸国はこの時期に外に、特にアジアに進出せざるを得なかったのか。アジアは進出しなかったのか。なぜ産業革命が西欧で起こったのか。
アジアが植民地化されたのはヨーロッパより遅れた社会だったからなのか。
植民地化された国、戦争で不平等条約を結ばされた国、比較的穏便に開国した国では何が違ったのか。
もちろん本書にすべての理由が示されている訳ではないが、考えていくフレームワークが与えられている。

政治的に安定し、交易システムも完成していたアジアに、ヨーロッパは複数の国が競争しつつ参入していったということになる。アジアはそのシステムでいわば自給自足していたが、ヨーロッパはそこで取引される物、香辛料、陶磁器、絹、綿製品が欲しくてたまらなかった。そして、それらの物が流入してくると、いかにそれを自身で生産するかを考える中で産業革命が起きてきた。

生活との関連に言及されているのもおもしろいところ。
今ではいかにもイギリスというイメージの砂糖入りの紅茶が象徴として語られている。
高級品だった紅茶が、酒ばかりの飲んでいた労働者階級まで含めてイギリス社会に広く普及していく。
このことは、インドで生産したアヘンで中国から購入した茶に、アフリカから連れて行った奴隷にアメリカで生産させた砂糖を入れて飲んでいると言うこと。
世界システムが拡大していくということと、ヨーロッパの消費生活が変化していくということは両輪であるということだろう。

後半で触れられている日本の開国の話も興味深い。
高校の日本史では、無能な幕府が黒船の軍事力に驚いて不平等条約を結ばされた、ということで終わりだが、そう簡単ではないというのが本書の見立て。幕府の歴史は、それを倒した明治の新政府によって意図的なバイアスがかけられているだろうことを考慮しなければならない。
実際には幕府は海外の情報を相当収集していて、ペリーが来航することも予期していた。だから黒船が来たときには浦賀にオランダ語の通訳が待ち受けていた。
それに、補給線の外を出た蒸気船が長期の交渉に耐えられないことも見抜いていたという。
交渉によって結んだ日米和親条約はそれほどまでに不平等ではないというのが本書での見方である。


「銃・病原菌・鉄」を読んだ以来の知的刺激を受けた。
とてもおすすめ。


P.S.
本棚に入れようとして整理していたら、この中公文庫の歴史シリーズ、父が遺した本の中にいっぱいあった。
親子って・・・。

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